「壁紙」を変えて理想の住空間を創る“Re壁”にチャレンジ

近年、住居やインテリアにこだわりを持つ人の間で、壁紙の張替え(Re壁)が注目されている。

これまで住宅における「壁紙」と言えば、施工時に少ない選択肢から選ぶのが一般的で、「自ら好きな壁紙を選ぶ」という発想はあまり浸透してこなかった。 しかし最近では、色・柄・素材も豊富になり、デザイナーとのコラボ品や輸入壁紙、また、さまざまな機能付きの壁紙も増え種類は豊富だ。壁紙を変えて、理想の住空間を創り、気分も一新する。

そんな壁紙の張替えを啓蒙しているのが「一般社団法人日本壁装協会 Re壁プロジェクト」だ。
今回はその主査を務める、富士工業株式会社 代表取締役社長 南光雅仁氏に、Re壁プロジェクトについてお話を伺った。

壁紙から暮らしを変える「Re壁」という発想

――なぜ壁紙の張替えを広めたいと思われたのですか。

南光氏:壁紙を張替えると言えば「リフォームをする際についでに変えるもの」というイメージがありますよね。 カーテンやラグを変えるように、壁紙も気軽に変えることができるんだ、ということを知らないお客様は多く、そのことを広めたいという思いがあって、私たちは「Re壁プロジェクト」を立ち上げました。
自分の好きな住空間を創る時に、壁紙を変えるという選択肢があるということを知っていただき、好みの壁紙を選んでいただければ嬉しいですね。

意外かもしれませんが、こんなにも住空間に個性がないのは世界でも日本くらいなんです。 例えば、日本ではマンションのドアの色から部屋の壁の色までどの家も全く同じ、というのが大多数ですよね。

でも世界では部屋ごとに壁紙を変えて楽しむのが当たり前、という国が多く存在します。 そこで、日本でも、もっと壁紙を自由に選んで頂き、自分たちの好きなように部屋のイメージを変えて住空間を楽しんでほしいな、という想いが私たちにはありました。

壁紙の施工例や豆知識を楽しみながら、自分好みの壁紙や相談できるプロが見つかる「Re壁」のポータルサイト

――日本の壁紙はどの家も白いものが多い気がします。

南光氏:もともと日本人は清潔感のある白い色が好きな傾向にあると思います。 部屋の家具やインテリアと合わせやすいですし、無難な色として生活に馴染みやすいのが大きな理由であると思います。 そのため、どの部屋も、同じような住空間になってしまいがちです。

とはいえ、なかなか現段階では家やマンションを購入するタイミングで自分の好きな壁紙を指定するのは難しいかと思います。 特に設計からオリジナルで造る注文住宅ではなく、建売のものを購入する場合、そもそも変更できるのかの情報すらないことがほとんどだと思います。

しかし実際には入居前に壁紙を部分的に張替えるケースが徐々に増えています。
さらに壁紙には約30,000点も種類があるので、好みの壁紙を選ぶことができます。 家を建てた後でも、何年かして「壁紙を変えたいな」という場合にも張替えは可能だということを伝えたいですね。 もっと自分たちらしい「お好みの住空間で暮らす」ことを知ってほしい、そう考えています。

リカベ前の部屋。この部屋も、壁紙は白い

体験者が語る、イメージ通りの住空間を叶える壁紙の選び方

今回「Re壁」の企画に参加して壁紙の張替えにチャレンジしてくださったのは、そのオシャレな暮らしとインテリア術が人気のインフルエンサー、yukikoさん。 今回は1階のリビングに隣接する和室、2階の将来子ども部屋にしようと考えている洋室、そしてトイレの壁紙を張替えて頂き、その感想を伺った。

yukikoさん:完成した様子を見て、「壁の色が変わるだけでこんなに広く感じるんだ」と、驚きました。 今回お話を頂いた時に、和室と洋室、トイレと、それぞれテーマをあらかじめ決めておいたので、変えたいイメージや雰囲気に合わせて壁紙を選びました。

実は、トイレは家を建てたときに2㎝四方くらいの小さいサンプル生地で選んでしまったため、壁紙として張られたときのイメージができておらず、失敗してしまったんです。 暗めの壁紙だと、トイレのような狭い空間では圧迫感を感じてしまう、ということが完成した後に分かって。 もっとさわやかで開放感のある感じにしたかった、いつか変えられたらな、とずっと気になっていました。

今回「Re壁」の企画に参加するまでは、壁紙をこんなに気軽に変えることができるということは知りませんでした。 なんとなく、壁紙を変えることができるとしたら家全体のリフォームのときくらいしかないのかな……と。

でも今日約半日で2部屋+トイレの壁紙を部分的に変えることができたので、その速さにびっくりしています。 もっと日数がかかるものだと思っていたので。

施工してくださったのが地元の施工業者の方だったのも、身近に感じることができて安心できました。 ずっと失敗した壁紙が気になっていたというyukikoさん。張替え後は、イメージ通りの空間に仕上がったよう。

(左)Re壁前と、(右)Re壁後のトイレ。爽やかな色合いで明るい印象になった

yukikoさん:まず変えたいとずっと思っていたトイレは、両壁の柄を変え、イメージ通りの爽やかな色合いのホテルライクな雰囲気になり大満足です。 片面には大好きなモロッカン柄を入れて、もう片面はくすんだ無地にして両面を柄にしなかったことですごく広く感じます。

他にも、お子様の誕生などライフステージによって部屋の用途が変わることから、用途に合わせて雰囲気を変えたいという思いもあったという。

yukikoさん:1階の部屋はもともと和室として設計されていた部屋だったため、壁紙も和紙風の模様でした。 今、子供が1歳なので、この部屋は和室としてではなくキッズスペースとして使用しています。 もっと洋風で優しい雰囲気にしたいなと思っていたので、今回はラベンダー色の可愛らしい壁紙を選びました。

完成したものを見てみて、当初の想定以上に大きく変わったなと感じています。 模様の部分が光に反射して、キラキラと光の感じによって風合いが変わるのが可愛いんです。 しばらくは和室としてではなくキッズルームとして使用する予定ですが、子どもが大きくなってまた和室に戻したくなった時は、壁紙を今回のように変えることも検討しようかと思っています。

(上)白だった壁紙を1面をピンクの無地、(右)1面をピンク系の丸模様の柄にRe壁

2階の子ども部屋もイメージ通りに仕上がりました。 家を建てたときは子供が生まれる前で性別も分からなかったため、壁紙の色も考えていませんでした。

今は女の子が生まれたので、将来はその子の子ども部屋にしたいなと思っています。 女の子らしい色にしたいなと、ピンク系の無地と丸い柄にしました。立体的な感じの丸の模様が光の加減で風合いを変えるのが可愛いので大成功です。

yukiko_ismartさん

Amebaブログ「インテリア・DIY」部門1位。月間838万PVを超える人気ブロガー。
収納本「ほんとうに必要なものしか持たない暮らし~Keep life Simple!」は、2ヶ月で3万部が完売。

「まずは“壁紙で遊ぶ”経験を」ビフォーアフターから学ぶ「Re壁」ストーリー

南光氏:賃貸では壁紙を張替えることは難しいかもしれませんが、まずは色々な装飾アイテムなどを使って自分好みに「壁で遊ぶ」体験をしてほしいですね。 そこから「壁に変化を加えると、空間の雰囲気がこんなに変わるんだ」ということを是非知ってほしいです。

家を建てたり、リフォームする時、壁紙は全体の中でみれば、決してコストが高いわけではないのに、面積が一番大きいので、変えたときのインパクトはすごく大きい。 だからこそ、色々な壁紙の中から自分好み壁紙を選んで欲しいです。

――デザインだけではなく、意外な機能性のある壁紙も多い。

南光氏:最近人気なのは消臭効果のある壁紙。ペットを飼っている方に好評です。 また、犬や猫が壁をがりがりひっかいても傷がつきにくい壁紙もありますよ。

その他にも、アレルゲンを分解する壁紙や、クレヨンなどで落書きをしてもさっと拭きとることができる壁紙もあります。 そういった、用途に合わせたさまざまな壁紙があることも知ってほしいですね。

家を購入する際に、お客様の側からも打ち合わせの時に業者の方に対して「こんな壁紙にしたいんですけどできますか?」とご要望が出てくると嬉しいですね。 そのためには壁紙のことをもっとたくさんの方に知ってもらえるように、我々が頑張らなければ、と思っています。

今回協力いただいたのは

コーディネーター:Color Design Firm 網村さん
(URL : http://colordesignfirm.com/?page_id=17)
施工会社:株式会社 MURO さん
(URL : https://www.mu-ro.jp/)

白い壁紙の選び方