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世の中的な“リカベの実態”を総まとめ!リカベに対する注目度やインテリアの
トレンド、壁紙選びのポイントなど“リカベのリアル”に迫ります。

Vol.2
〜住まいトレンド予測レポート〜

インテリアは家具やカーテンだけじゃない…
「壁紙」も自由に楽しむ時代に!?
壁紙を自由にアレンジする『リカベ』が新たな人気に

生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、2016年の「住まいトレンド」として、
壁紙を自由にアレンジする『リカベ』に注目し、『リカベ』に関する意識・実態調査をおこないました。
また『リカベ』トレンドの背景について、専門家に伺いました。

【レポート内容】
  • 1:2016年注目の『リカベ』とは
  • ・家具やカーテンだけじゃない! 住まいの最新トレンドは「壁紙」に注目
  • 2:『リカベ』に関する意識・実態調査
  • ・経験者に聞く、『リカベ』チャレンジのきっかけ
  • ・壁紙の色や柄は、「部屋の居心地の良さに関わる」9割超が回答
  • 3:専門家に聞く、『リカベ』トレンドの背景
  • ・ライフスタイルが多様化する現在、「住まい」は新たな自己表現の場に
  • ・近年の「住まい」へのこだわりが、「壁」にも波及
  • ・業界も注目する『リカベ』トレンド

1:2016年注目の『リカベ』とは

家具やカーテンだけじゃない! 住まいの最新トレンドは「壁紙」に注目

インテリアやリフォームなど、住まいのアレンジに対する人々の興味・関心が高まっている現在。2025年の住宅リフォーム市場規模は2014年比約11%増の7.4兆円と予測されており(矢野経済研究所 * )、今後ますますの需要拡大が見込まれています。

こうした中で、近年は、間取りや家具・カーテン・床材などだけではなく、「壁紙」にもこだわる人が増えているようです。壁紙は、部屋の雰囲気を大きく左右するため、住まいづくりを考える上でも特に重要なアイテム。賃貸マンションなどでも、壁紙を自由に替えられる物件が登場し、人気を集めています。

最近では、壁紙を好きな色・柄などに自由に張替える『リカベ』という言葉も登場。すでに『リカベ』を実践しているという人も多く、『リカベ』にチャレンジする動きは、2016年以降、ますます一般化していくと予想されます。

*出典:矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査結果 2015」

2:『リカベ』に関する意識・実態調査

今回のレポートでは、まず、『リカベ』経験のある(壁紙を替えた経験のある)20〜40代男女を対象とした意識・実態調査をおこないました。

【調査概要】
  • ・調査名:自宅の「壁紙」に関する意識・実態調査
  • ・調査期間:2015年11月30日〜12月3日
  • ・調査方法:インターネット調査
  • ・調査対象:20〜40代 男女500名
    ※過去に壁紙の張替え・アレンジをしたことがある方 (性別・年代均等割付)

経験者に聞く、『リカベ』チャレンジのきっかけ

[グラフ1]

Q:『リカベ』をおこなった(壁紙を替えた)時期として、
当てはまるものをお選びください。

はじめに、『リカベ』をおこなった(壁紙を替えた)時期について質問したところ、「1年以内」(33%)という回答が最も多い結果に。
次いで多かった「2〜3年以内」(28%)と合わせると、3年以内に『リカベ』をおこなったという人が過半数となり、ここ数年で『リカベ』人気が高まっている様子がうかがえます。[グラフ1]

[グラフ1]

Q:『リカベ』をおこなった(壁紙を替えた)時期として、
当てはまるものをお選びください。

[グラフ2]

Q:『リカべ』をした(壁紙を替えた)きっかけとして、
当てはまるものをお選びください。

続いて、『リカベ』をした(壁紙を替えた)きっかけを聞くと、「部屋の雰囲気を変えたかったから」(40%)、「部屋をリフォームする予定があったから」(25%)、「自宅の一部をリフォームする予定があったから」(19%)、「新築で家を建てる予定があったから」(17%)などが上位となりました。[グラフ2]
模様替えの一環として壁紙を替える人の他、リフォームなどのタイミングに合わせて『リカベ』にチャレンジする人も多いようです。

[グラフ2]

Q:『リカべ』をした(壁紙を替えた)きっかけとして、
当てはまるものをお選びください。

また、「どのような壁紙に替えましたか?」という質問では、「キッチンのタイルが古くさい印象だったので、レンガ調の壁紙でレトロ風に替えた」(37歳・女性)、「自宅が雨漏りしてしまった際、修理と合わせて、壁紙も和紙風のものに替えてもらった」(42歳・男性)、「子どもが少し大きくなったので、アニマルモチーフの可愛い柄に張替えた」(33歳・女性)などの回答があがりました。場所や目的に合わせて、自由に壁紙選びが楽しまれている様子がうかがえます。

壁紙の色や柄は、「部屋の居心地の良さに関わる」9割超が回答

そこで、『リカベ』経験者に、「壁紙で、部屋の雰囲気は大きく変わると思いますか?」と聞くと、98%とほぼ全員が「そう思う」と回答。[グラフ3]
また、「壁紙の色や柄は、部屋の居心地の良さに関わると思いますか?」という質問でも、96%もの人が「そう思う」と答えました。[グラフ4]

さらに、自宅の新しい壁紙(『リカベ』をした壁紙)の満足度を聞くと、94%が「満足している」と回答。[グラフ5]
その理由としては、「自分のイメージ通りの雰囲気にすることができ、家でくつろぐのが楽しくなった」(37歳・女性)、「雰囲気が変わり、部屋にいるのが好きになった」(28歳・男性)、「自分らしい部屋を表現できて、居心地が良い」(48歳・女性)など、壁紙の張替えによって居心地が良くなり、部屋にいるのが楽しくなったという声が多くみられました。

また、「『リカベ』(壁紙の張替えやアレンジ)を、周囲の人におすすめしたいと思いますか?」という質問でも、87%と約9割の人が「そう思う」と答えています。

[グラフ3]
Q:壁紙で、部屋の雰囲気は
大きく変わると思いますか?
[グラフ4]
Q:壁紙の色や柄は、部屋の居心地の良さ
に関わると思いますか?
[グラフ5]
Q:自宅の新しい壁紙(『リカべ』をした壁紙)
の満足度についてお聞かせください。

3:専門家に聞く、『リカベ』トレンドの背景

また今回は、『リカベ』人気が高まっている背景について、生活者の実態やトレンドに詳しい、商品ジャーナリスト・北村森さんにお話を伺いました。

■ライフスタイルが多様化する現在、「住まい」は新たな自己表現の場に

近年、「住まい」にこだわりを持つ人が増えています。住宅やインテリアに特化したWEBサイトや雑誌なども多数刊行され、人気を集めているようです。注目したいのは、これらの多くが、単なる「不動産情報」などではなく,「暮らし方」をテーマにしているということ。ライフスタイルが多様化している現代において、住居は自分らしさが強く表れる場所です。最近では、InstagramやFacebookなどのSNSで部屋の雰囲気やインテリアなどを投稿する人も増えており、自宅の空間は新たな自己表現の場になっているとも言えるでしょう。

■近年の「住まい」へのこだわりが、「壁」にも波及

そして今、家具や雑貨などだけではなく、「壁紙」も自分好みのものを選ぶ人が増えています。壁紙を好みに合わせて自由に張替えることを指す『リカベ』という言葉も登場しており、注目が集まっているようです。もともと「壁紙」は、空間演出に大きなインパクトを与えるアイテム。壁紙を替えると、部屋の雰囲気が一気に変わるのはもちろんのこと、居心地まで変わります。色・柄を自由にセレクトすることで、より自分好みで居心地の良い部屋が手に入るのです。

また、そもそも海外では、ファッション感覚で「壁紙」を楽しむのは当たり前のこと。海外ドラマなどで、楽しくカラフルな壁紙を目にしたことがある人も多いかと思いますが、住む人の個性が壁紙にも表れるのです。また、壁紙の張替えに対する心理的なハードルも低いと言えるでしょう。日本における壁紙についても、これまでは白やベージュなど淡白なものが主流でしたが、北欧やアメリカ西海岸をはじめとした海外インテリアがブームになったのをきっかけに、壁紙の色・柄にも注目する人が増えてきているようです。

■業界も注目する『リカベ』トレンド

さらに、各業界でもこうした動きに注目が集まっています。日本壁装協会では、「壁紙を張替え、理想の住まい空間にする」という価値づくりを表す「Re壁[リカベ]」というコンセプトを新たに制定。壁紙選びのポイントや「リカベ」の実例などを紹介するWEBサイト「rekabe.jp」なども展開しています。

一方、不動産業界でも、壁紙を自由に選べる物件が登場し、人気を集めています。近年、空室率が問題となっている賃貸物件においては、壁紙の張替えができることが、今後1つのアドバンテージになっていく可能性もあるでしょう。

このように、壁紙のアレンジや張替えへのハードルは、今後ますます下がっていくと予想されます。家具やカーテンを選ぶのと同じように、壁紙も気軽にセレクトできる時代になってきたと言えそうです。

【専門家プロフィール】
北村 森(きたむら もり) 
商品ジャーナリスト

『日経トレンディ』編集長時代から、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活動。
退職後、商品ジャーナリストとして活動。原稿執筆、テレビ、ラジオ番組への出演、講演活動などとともに地方自治体と連携する形で地域おこしのアドバイザー業務にも携わる。著書に『途中下車』(河出書房新社)、『ヒット商品航海記』(日本経済新聞出版社 共著)。

出典:トレンド総研

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