--メニューがとても個性的ですね。
店内の壁いっぱいに、当店でご用意しているインテリアのメニューを描いています。
"シェフのおすすめコーディネート"や"フローリングサンド"など、まるでカフェにあるメニューのような雰囲気なので、内容を想像しながらネーミングでも楽しんでもらえたらと思います。
--お店は普段使いもできるとおうかがいしました。
1時間200円(1ドリンク付)でカフェとしてお使いいただけます。店内にあるインテリア系の雑誌、洋書も全て自由に手に取っていただけます。集中したいときやゆっくりしたい時など、お気軽にご利用ください。
--スタッフの方も資格をお持ちだそうですが、インテリアデザイナーさんは、どのようなお仕事をされるのですか?
海外では一般的な職業なんです。
日本ではそれほど浸透していませんが、インテリアデザイナーはインテリアを用いて室内空間をトータルでデザインします。
空気感を大切に、コンセプトをしっかり作ったうえで、床も窓も壁も照明も無駄なく選び、家族構成、ライフスタイルやお客様の趣味嗜好、行動スケジュール、理想のライフスタイル、ご自身では気づかない深層心理までを分析し、間取りからデコレーションの細かなところまで全てにこだわったインテリア空間を実現させるためのご提案をいたします。
そこで暮らしていく人たちと「これから、どんな空間で暮らしていきたいか」というイメージを共有し、家を建てる時から生き方まで寄り添う。
それがインテリアデザインの考え方であり、インテリアデザイナーとしての仕事です。
--高い専門知識が求められますね。
私たちがプロとして専門性を高めた情報を提供していかなければインテリアデザインの普及は望めません。
お客様にプロである必要性を感じてもらえなければお金を払う価値は生まれませんし、専門性を持った人材には正当な対価が支払われます。
日本のインテリア業界は、まだまだ伸び代のある業界だと思っています。壁も床も照明も、インテリアはどれか一つが突出していても停滞していてもトータルコーディネートは成り立ちません。
同じ業界の人が同じ方向を向いて、一緒になって業界全体を膨らませる。
インテリアを選ぶ側と提供していく側、業界に関わる人たちと共に成長し、文化を創っていきたいと考えます。
--そんな考え方に共感された企業様も多いとお伺いしました。
カフェでのインテリア相談だけでなく、考えにご賛同いただいたパナソニックさんと共同で梅田のグランフロントにある「猫カフェ in わが家」でも定期的に20分ほどのプチインテリアセミナーを行っています。
企業が手をかけ、ユーザーと共に文化を創るといういい例になればいいですね。
--最後に、古市さんからインテリアに悩む皆さんへ、メッセージをお願いします。
お店に訪れていただいたお客様には「どうなりたいの?」と、うかがうようにしています。インテリアは、「どんな部屋を作りたいか」ではなく、「どんな暮らしがしたいか」をイメージすることから始まります。目的、目標が決まれば自ずと選ぶヒントが見えてきます。
家を買うことがゴールではありません。自分を見つめ直すことがインテリアコンセプトとなり、それがスタートとなります。
家具、カーテン、照明、そして壁。一番大きな面積を占める壁の役割はとても大きいと思います。
それぞれが調和してトータルコーディネートが完成します。パーツにとらわれるのではなく、生き方に根差したインテリアを選んでください。