－－この仕事を始めようと思ったきっかけを教えてください。

1995年の阪神淡路大震災で自宅が全壊した際に庭に仮住まいを建てました。四畳半が3部屋とバス・キッチンという小さな建物でしたが、その時の建築屋さんがとてもかっこよく見えたんです。
震災直後のショックや不安な精神状態もあったのでしょうが、テキパキと作業している姿がなんとも頼もしくて。その方への感謝の気持ちと、住む家ができたことの感動は今でも忘れられません。
もともと物を作ったり直したりする作業が好きだったので、建物に関わる仕事がしたいと思うようになりました。

－－では、大学を卒業後してすぐに？

アパレルメーカーに2年ほど勤め、その後は父の会社を手伝ったりしていました。でも、やっぱり建築や住宅関係の仕事がしたいという思いがあったので、ハウスクリーニングの会社で働きながら、いろいろなノウハウを覚えて30代で独立しました。

－－お仕事の内容について教えてください。

建物のリフォーム、メンテナンス、そしてハウスクリーニングがメインです。
阪神間は賃貸物件も多いので、住人の方が転居した後のクリーニングやリフォームは必須です。管理している不動産屋さんからの依頼が大半になりますが、時には個人の方から直接お願いされることもありますね。

－－リフォームといっても、いろいろありますが。

皆さんがよく思い浮かべるのは、キッチンやトイレ、浴室などの水まわりのリフォームではないでしょうか。
確かに、水まわりは使用頻度が高く、設備も傷みやすい。より便利で使いやすくというご要望も多いので、全面的にリフォームされる方も少なくありません。
当社では水まわりに限らず、リビングや寝室、玄関や廊下など様々なリフォームのご依頼を承っています。屋内のリフォームの場合は、壁紙を部分的に補修・修繕するというより、壁紙すべてを張り替える方が大半ですね。

－－賃貸物件での壁紙の張替えで気をつけている点はありますか？

壁は面積も広く、空間の中でも想像以上に目につくところです。オーナーさんや不動産屋さんから特別にリクエストがあればそれに応えますが、賃貸物件の場合は敢えて冒険はせず、どんなテイストの家具とも合わせやすいオーソドックスなものを選ぶ場合が多いですね。
入居される世代や性別を選ぶ可能性がある壁紙より、誰から見ても好感を持たれる色や柄が受け入れられる傾向にありますね。

－－やはり、プロにお任せした方がキレイになるんでしょうか。

自分でしたいけど、掃除する時間がなかったりやり方が分からない、と言われる方は多いです。そして、普段お手入れしていない場所はどんどん汚れが蓄積されていってしまうので、通常のお掃除では汚れを落としきれなくなってしまいます。
私共にはプロのクリーナーだからできるきめ細やかな清掃技術があるので、普段なかなかお手入れできない換気扇やコンロ、シンク、浴室やトイレなどのしつこい汚れもしっかり除去することができます。
建物全体のクリーニングだけでなく、バスルームだけ、キッチンだけ、というように部屋ごとのクリーニングも承っているので、気軽に問い合わせてほしいと思います。

－－このお仕事をされていて一番嬉しいことは？

仕上がった空間を見て、お客様から「キレイになったわ！」「見違えた！」「ありがとう!!」そんな言葉をかけてもらえた時ですね。 物件によってはすごく難航する場合もあるけれど、お客様の満足する顔を見れば、どんな苦労も吹き飛びますよ。

－－素人の私たちにもできる壁のお掃除方法があったらぜひ教えてください！

一番は汚さないこと、…なのですが、とにかく“汚れたらすぐ拭く！”これに限ります。
汚れの種類が何であれ、時間が経てば経つほど汚れは固着してシミになってしまいますから、できるだけ早く拭き取ることを忘れないでください。

－－壁を掃除する場合は乾拭きでいいのでしょうか？

壁紙の材質にもよりますが、できたら乾いた布ではなく一度濡らして固く絞った布で拭き取るようにしてください。
日頃、床に掃除機はかけても壁や天井まで拭き掃除をする方はあまりいらっしゃいませんよね？　最近は禁煙される方も増えてきましたが、室内でタバコを吸うとどうしても壁にはヤニ汚れが付いてしまいます。こればかりはプロも手を焼いてしまいますが、マメに拭き掃除をすることで壁もある程度きれいに保つことができますよ。

－－ペットを飼われているお家も多いですよね。

一般的な壁紙を使用されているお部屋はペットの臭いや引っかき傷は天敵です。
ペットのいる部屋では壁際にボードを立てたり、壁紙の上にフィルムを貼るなどという予防策もあります。防汚機能や消臭機能のある壁紙も各メーカーさんが出されているので、リフォームの際は候補にされてもいいのではないでしょうか。

－－結露の多い部屋やクローゼット内の壁紙にカビが生えるという事例も聞きますが。

一概にはお勧めできませんが、浴室用のカビ取り洗剤を使って落とせるケースもあります。
ただ、効果はカビの種類や壁紙の材質によるところが大きいので、ご家庭で実践される場合はお取り扱いに十分に注意して、必ず目立たないところで試してからやってみてください。

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