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壁紙で部屋の空気感もグッと変わる。もっと壁紙を楽しむことをして欲しい。

壁紙で部屋の空気感もグッと変わる。もっと壁紙を楽しむことをして欲しい。

CHIC INTERIOR PLANNING 主宰
インテリアコーディネーター
荒井詩万さん

CHIC INTERIOR PLANNING 代表
インテリアコーディネーター 荒井詩万さん

インテリアコーディネーターとして約20年のキャリアを持つ荒井詩万さん。戸建て住宅やマンションのインテリアコーディネート、リノベーションを手掛けています。
その荒井さんは著書『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(サンクチュアリ出版)を出版。初心者でも素敵な住まいを演出できる、さまざまなノウハウを紹介しています。
そんな荒井さんに壁紙について伺いました。

  • ──どのようなお仕事をされているのですか?

     

    フリーランスでインテリアコーディネーターをしております。始めてからもう約20年になります。
    一般のお客様から直接、ご依頼いただき、戸建て住宅やマンションのインテリアコーディネート、リノベーションを行っています。工事も請け負っているので、職人さんを手配することもあります。

    私の仕事は3つの柱があります。
    一つ目は、今言ったインテリアコーディネート。二つ目が講師のお仕事。大妻女子大学短期大学部の非常勤講師や、私が学んだ町田ひろ子アカデミーの講師。その他、企業のセミナーの講師などもさせていただいています。三つ目が、メディアへの出演。雑誌の監修やスタイリング、テレビにも出演しています。
    私はプロとしてインテリアコーディネートの仕事をしているのですが、「インテリアはハードルが高い」と思われている方が多くいらっしゃいます。もっとインテリアを楽しく広めて行けないかと考え、メディアへの出演は積極的にさせていただいています。
    コロナ禍でインテリアが注目されるようになったこともあり、NHKの「あさイチ」や日本テレビの「スッキリ!」「ヒルナンデス!」といった情報番組にもたくさん呼んでいただきました。あと、2019年に、『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(サンクチュアリ出版)を出版させていただきました。これは、私のブログをたまたま編集の方が読んでくれて、お声を掛けていただいたことで実現したものです。

  • Re壁ボイス CHIC INTERIOR PLANNING 代表 インテリアコーディネーター 荒井詩万さん
    PROFILE
    荒井詩万

     

    CHIC INTERIOR PLANNING 主宰
    インテリアコーディネーター
    日本女子大学家政学部卒。設計事務所にて秘書として勤務。在職中、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーで2年間学び、卒業後、CHIC INTERIOR PLANNINGを主宰。 戸建住宅やマンションのインテリアコーディネート・リノベーションを数多く手掛け、住まう人に寄り添う心地よい空間づくりが人気。大妻女子大学短期大学部非常勤講師、町田ひろ子アカデミー講師、企業セミナー講師。雑誌の監修やスタイリング、NHK「あさイチ」「資格☆はばたく」・TV東京「インテリア日和」・日本TV「スッキリ!」「ヒルナンデス!」・関西TV「土曜はナニする⁉︎」などメディア出演多数。インテリアに関するさまざまな仕事をしている。
    著書に、『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(サンクチュアリ出版)がある。
    6版重版、累計発行部数3万7千部。

  • ──そもそも、どうしてインテリアにご興味を持たれたのですか?

     

    日本女子大学家政学部被服学科という、インテリアとは関係のない学部で学びました。
    卒業後は、設計事務所に勤務し、秘書として働いていました。でも、仕事は楽しいのですが、このままで良いのだろうかと考えるようになりました。結婚をしても、年齢を重ねてもできる仕事に就きたいと考え、インテリアに興味があったことから、インテリアコーディネーターという仕事を知り、在職中に夜間、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーで2年間学びました。卒業後、今のCHIC INTERIOR PLANNINGを立ち上げました。

    インテリアコーディネーターを始めてみると、インテリアをどうすれば良いのか分からず困っている人が多くいました。ファッションのセンスも良く、お料理も上手。だけど、インテリアは消極的。ひとり暮らしや結婚で新居を構えても、どんな家具をセレクトしたらいいのか、そもそもどこにどんな家具が売ってるかも分からない。誰も教えてくれないから。それは私もそうでした。
    実際にご依頼いただくお客様は、「こうしたい」とイメージが固まっている方と、漠然と、「居心地が悪いのを、どうにか心地良くしたい」と考えている方の2つに分かれます。
    イメージが固まっている方にはイメージを実現するためのアドバイスを、漠然と考えている方には会話をしながら具体化しています。

 

  • ──著書、『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』はどのような内容なのでしょうか?

     

    ちょっとした工夫でお部屋作りは楽しくなる、快適になるということを伝えることがコンセプトになっています。
    それを20のルールに分けて紹介しています。
    ルール1は、「入口の対角に何を置くかですべてが決まる」です。入って対角の部分に人の目が行くと言われています。そのことを一般の方はあまり考えていません。洗濯物やお子様のおもちゃ箱が並んでいると雑多な感じになります。プロはその部分に素敵な絵を飾る、グリーンを置くなどしてフォーカスポイント、見せ場を作ります。プロだと普通にすることなのですが、一般の方からは「目から鱗です」と感想をいただきます。他には、「クッションは3個が正解である」とか「照明を1個だけプラスする」「本棚をインテリアとして考える」「写真はモノクロにするとギャラリーになる」などのルールがあります。

    リビングやダイニングはハードルが高いので、簡単にできるのは、玄関です。玄関は家の顔です。お客様が来た時に見る部分。まずは玄関のディスプレイから取り掛かるのがおススメです。
    皆さん、玄関にある靴入れの上をどう使ってるのかというと、鍵の置き場にしたり、靴の空箱の置き場にして、そこにホコリが溜まっているという状態だったりします。そこに絵を飾る、お花を飾るなど少し手を加えるだけで、見違えるようになります。
    嬉しかったのが、「玄関からやってみたら、インテリアに興味のない主人が、『何かいいね』と言ってくれて嬉しかった。他の部屋も頑張ります」という感想をいただいたことです。ひとつ成功体験があると、違う部屋も素敵にしようとモチベーションが湧いてきます。玄関は取っ掛かりとしてとても良いと思います。

CHIC INTERIOR PLANNING 代表 インテリアコーディネーター 荒井詩万さん

 

──壁紙はいかがでしょうか?

 

『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』ではルールを50個くらい出してそのうちの20個に絞ったのですが、最初は壁紙のことも入れる予定でした。でも、編集の方から「壁紙はハードルが高すぎる」と言われて削ったんですよ。
壁紙も張っても簡単に剥がせるものもあるので、賃貸にお住まいでも内装制限をうけない箇所では既存の壁紙の上から壁紙を張ることができます。私のお客様には素敵な壁紙をご提案しています。壁紙が変わるだけでも見違えるようになります。『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』のパート2が出るようになったらぜひ、壁紙のことを加えたいと思っています。

何より、空間は色と柄で変わります。私は、全面淡いブルーの壁紙にするとか、真っ白な壁紙でもどこかにアクセントを入れることをご提案しています。
お客様は日頃、白い壁紙しか見ていないので、「全面に色があると空間が狭くなるんじゃないか」「圧迫感があるんじゃないかしら」とおっしゃるのですが、そんなことはありません。
海外では当たり前のように壁に色がついています。確かに、日本ではまだ、ハードルは高い。海外のようにDIYで自分で壁紙を張り替えるまでにはなっていません。
でも、全面でなくとも一面を変えるだけでも気分は変わります。絵を変えるように壁紙を変えるだけで、部屋の空間の空気感も変わります。もっと壁紙を楽しむということをして欲しいと思います。

  • before

  • after:白を淡いブルーの壁紙に張替え

私は、お客様の、例えば「明るく楽しい感じにしたい」とか、「落ち着いた感じにしたい」、「海外のホテルのようなイメージにしたい」などのご要望を伺って色の選定をします。今は、グレイッシュトーンがトレンドです。淡いオレンジやグリーンより、ちょっとグレイッシュな、ちょっとスモーキーな色の方は、どんなインテリアにも合います。そのような色は主張がそこまで出るわけではないので、全面に張っても問題はないと思います。

 

──リフォームでは壁紙は重要ですか?

 

重要です。最近、手掛けたリノベーション案件では、真っ白の壁紙だったのを、「もっと楽しい感じにしたい、素敵な感じにしたい」というご希望を伺い、淡いブルーをご提案しました。すると雰囲気が一気に変わり、喜んでいただけました。「真っ白な壁紙のときよりも、部屋がすごく広く感じる」とおっしゃっていました。
また、別の案件ではリビングダイニングを「ホテルのイメージにしたい、ちょっとラグジュアリー感を出したい」とのことだったので、ゴールドの入った壁紙にしました。真っ白だった壁が一気に華やかになり、絵も、ソファも栄えるようになりました。色を入れるのは大事です。

  • before

  • after:白をゴールドの壁紙に張替え

お客様には事前に壁紙のサンプルをお見せしています。でも、「真っ白な壁が、色や柄が入るとどうなるんだろう」とドキドキさせています。張った瞬間、お客様の「わぁー」と言う歓声を聞くと、良かったと思います。
空間の空気感が変わるという意味では、壁紙が圧倒的です。ソファを置く、照明を変えるでなく、壁紙が一面変わるだけでダイナミックに変化します。お客様が「わぁー」となる瞬間が、仕事として壁紙を選ぶ醍醐味です。いつも「このご提案をして良かった」と思います。


リビングやダイニングをやるにはちょっと、という方におススメなのはトイレです。
トイレは遊べる空間です。大胆に壁紙を変えると、ドアを開けた瞬間、別世界になります。
私はトイレに大胆な壁紙をお客様に提案しています。いつも、攻め攻めです(笑)。毎回、職人さんから「今回はこうきましたか」と言われます。
例えば、もともとは真っ白だったトイレをリゾートホテルのようにしました。すると、お客様がドアを開けた瞬間「わぁー」となります。
トイレの全体を張るのは、プロでないと難しいものです。でも、シールの壁紙もあります。一面だけならご自分でもできると思います。
まずはトイレから体感をしていただけると、「こんなに変わるんだ」と言うことが、実感できると思いますよ。

  • 「リゾートホテル」を感じさせる大胆なコーディネートもご提案

 

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  • File No.27 2022.01.24 UP
  • CHIC INTERIOR PLANNING 主宰 インテリアコーディネーター 荒井 詩万さん
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  • File No.24 2020.07.06 UP
  • 株式会社 森熊 代表取締役社長 大塚紳哉さん
    ユーザーの個性、アイデンティティを探求する世界の壁紙が、建築業界をアップデート
    壁紙をはじめとする内装材卸会社としては、四国最大手の株式会社 森熊。
    輸入壁紙を中心とした専門店「WALLPAPERHOUSE」を四国各県に展開し、注目を集めています。WALLPAPERHOUSEでは、ホームテキスタイルの世界最大級の見本市・ハイムテキスタイルをテーマとしたセミナーを開催。
    セミナーを通して訴えたいことは何なのか、熱い思いを語っていただきました。

  • File No.23 2020.01.31 UP
  • 風水クリエーター×一級建築士 天野千恵里(あまのちえり)さん
    環境が変われば人生が変わる。運を変えたい人が住むべき、本当によい家とは。
    大学では英米語学を専攻。卒業後はハウスメーカーに勤務する傍ら、インテリアコーディネーターや宅地建物取引士、さらに2級建築士、1級建築士の資格を取得。また、家相、環境学、風水について学び、3年前に独立。風水空間クリエーターとして多数の住宅や店舗の設計、アドバイスをする一方、講演やセミナーの講師としても活躍中。

  • Re壁ボイス 補正下着専門店 Chabi 原知佳さん
  • File No.21 2019.05.30 UP
  • 育乳ブラ&補正下着専門店 Chabi株式会社 ランジェリーデザイナー 原知佳さん
    いつもいつまでも美しく。女性の願いを叶える夢の空間。
    自らも補正下着によって美ボディを手に入れたというランジェリーデザイナーの原知佳さんに魅力ある商品づくり、またインテリアデザイナーの知識や経験を生かしたお店づくりについても語っていただきました。

  • Re壁ボイス ふすまっくす 松岡 健一さん
  • File No.19 2019.05.21 UP
  • 松岡表具店代表 1級表具技能士 松岡 健一さん
    日本の伝統と現代性をあわせた新しい楽しみ方を。
    伝統と現代性をあわせた表具・表装の新しい楽しみ方を、創業40年以上にわたって表具屋を営む松岡表具店の代表 松岡健一さんにおうかがいしました。

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