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File #25

「壁紙」は室内において大きな存在。今後、壁紙はブレイクする影響力がある。

「壁紙」は室内において大きな存在。今後、壁紙はブレイクする影響力がある。

ルームクリップ 株式会社 取締役
ビジネス担当
川本太郎さん

Re壁ボイス ルームクリップ株式会社 取締役 ビジネス担当 川本太郎さん

ルームクリップ株式会社は自社のプラットフォーム「RoomClip(ルームクリップ)」を企画・開発・運営するために設立されました。

設立当初の中心メンバーとなっているのは、東京大学で美術サークルに属していたメンバー。

川本太郎さんもそのひとり。東京大学文学部を卒業した後、日本経済新聞社に入社し記者を務めていました。

ルームクリップは同じサークルメンバーであった、髙重正彦さんが自身のノウハウを元にして会社を設立。

髙重さんから「一緒にやらないか」と声をかけられたことで、川本さんも参画することに。

現在は取締役・ビジネス担当として活躍しています。

今回は、ルームクリップで大きな成果を得た川本さんにお話しを伺いました。

  • --ルームクリップ株式会社ではどの様なサービスを行っているのですか?

     

    「RoomClip」は、ユーザーが自分の家の写真を撮って投稿するという、とてもシンプルなプラットフォームです。

    誰でも考えつきそうなことですが、このようなサービスは今までありませんでした。

    「RoomClip」をスタートさせるため、会社を2011年11月に設立して準備し、2012年5月にローンチしました。

    なので2020年でサービスを開始してから8年目となります。

     

    今では月間約630万人がサイトを訪れるまで成長しました。

    投稿されている写真は累計で約400万枚を超えています。

    名実ともに「日本で最もリアルな家の写真が見れる」サイトです。

     

    --ユーザーは何を求めて「RoomClip」を訪れるのですか?


    ユーザーは30代から40代の女性が中心で、主婦の方が多いのが特徴です。

    RoomClipユーザーの多くは家にいる時間が長く、部屋の片付けや掃除をしたり、

    オシャレな雑貨を飾ったり、キッチンを使いやすく手入れをしたりしています。

  • Re壁ボイス ルームクリップ株式会社 取締役 ビジネス担当 川本太郎さん
    PROFILE
    川本太郎

     

    ルームクリップ株式会社 取締役 ビジネス担当
    2011年11月の設立。
    「みんなでつくるお部屋の写真集」をコンセプトとしたサービスコンテンツ「RoomClip(ルームクリップ)」の企画・開発・運営を担う。
    2007年、東京大学文学部卒業。2007年、日本経済新聞社に入社。2013年、ルームクリップ株式会社に参画し執行役員就任。2017年から取締役を務める

でも、家族はなかなか「うちの家って素敵だね」とは褒めてくれません。

こだわりを持っているのに、あまり評価されない場所が家の中なんです。

 

Re壁ボイス ルームクリップ株式会社 取締役 ビジネス担当 川本太郎さん

 

ところが「RoomClip」に投稿すると、たくさんの「いいね」やコメントが付きます。

自分の投稿に対して他のユーザーから「収納が参考になるので、どこのなんというものを使っているのかを教えてください」とか「やり方を教えてください」というコミュニケーションが発生します。

すると、自分のため家族のためにやっていることが、多くの人の役に立つんだとわかり、嬉しくなります。

 

投稿する人はもちろん、たくさんの「いいね」やコメントが付いても、それでお金になるわけではありません。

でも「RoomClip」に投稿することで「人の為になりたい」といった気持ちが満たされるのだと考えています。

だから、ただ写真を撮ってアップするだけでなく、わざわざどこのメーカーのなんという家具で、どこで買ったという情報もタグ付けしてくれます。

見る方も「RoomClip」を見てはじめて「こんな家具や収納用品があり、こんな使い方をすればいいんだ」とわかるわけです。

 

  • --オシャレだから投稿しているのだと思っていましたが、ノウハウを公開したいというのもあるんですね。

     

    そうなんです。「RoomClip」はオシャレな部屋が集まるサイトと思われていますが、オシャレじゃなくとも収納が優れていたら「いいね」が付くんです。

    もちろん、オシャレな写真も参考になりますが、トイレットペーパーをオブジェのようにしている写真にも「いいね」が付きます。トイレットペーパーって普通、買ってきたものを積み上げているだけですよね。

    それを上手にするとカッコよく見える。こんな事が紹介されるメディアは他にありません。

 

  • --「RoomClip」では、どのようにビジネス化されているのですか?

     

    マネタイズとして大きいのが、企業にプロモーションとして「RoomClip」を
    活用してもらうことです。

    「RoomClip」の場合は、企業の商品をユーザーに使ってもらって、
    その写真を投稿してもらうことで商品の魅力を訴求するようにしています。

    CMではなかなか魅力が伝わらない、といった商品のプロモーションに効果を
    上げています。


    また、企業の商品開発や調査依頼も多くあります。

    例えば、ある商品とその商品の競合商品を各30人づつピックアップしてアン
    ケートを取る、ということなども「RoomClip」なら容易にできます。

お付き合いしている企業は幅広く、インテリアメーカーから・家具・建材・総合住宅・住宅設備メーカーのほか、日用品メーカーにまで拡がっています。

例えばトイレでどこに消臭剤を置いているかとか、どこのメーカーの家電を使っているのか、など色んな調査もあります。

家の中にあるもの・関わる企業など総てが関係してきます。

 

--「RoomClip」のユーザーさんは、壁紙をどのように考えているのでしょうか?

 

暮らし方が上手な人ほど、壁紙を楽しんでいる人が多いと感じます。

大抵の家では壁紙は白ですよね。

でも、「ステキだな」と思う写真は真っ白の壁紙だけでなく、ちょっとアクセントで色や柄を入れたりしています。

工夫した壁紙を使うと暮らしがずっと良くなるということを、消費者が気づいているのだと感じます。

昔に比べると壁紙の色を変えて楽しむ時代になってきた、と言えるのではないでしょうか。

 

多くの人にとって、部屋の壁が白いのが当たり前の環境だと思います。

僕自身、友達の家に行くのは1年で5回くらいです。

でも、「RoomClip」は、他の人の部屋が見れるんです。

多くの人の部屋の壁は白いと思います。

すると色や柄の付いた壁紙に張り替えようという発想になりません。

「RoomClip」で見てはじめて、色や柄のある壁紙があると知るんです。

 

 

--「RoomClip」の功績は大きいですね。

 

壁紙は自分で張り替えられるから、いい壁紙にしたときは写真を投稿したくなるんですよ。

だから今後はさらに一歩踏み出して、壁紙は自分で張れるし「Re壁すると暮らしが良くなる」みたいなことが浸透していくと、壁紙を楽しむ人はもっと増えると思います。

 

先ほど、ただ写真を撮ってアップするだけでなく、情報をタグ付けしているといいましたが、そもそもメーカーのタグを付けるということは最初のころは多くはありませんでした。

あるときからユーザーは、メーカーによって商品はぜんぜん違う、ということが分かってきたんです。

商品に対してこだわっているユーザーが増えてきたと考えています。

その意味では壁紙もブランドが評価される時代が来ると思っています。

実はこのことを僕は前から言っているのですが、なかなか理解してもらえません(笑)。

 

--ユーザーの壁紙に対する傾向はありますか?

 

一言で伝えるのは、なかなか難しいです。

ただ、流行るインテリアのトレンドにあわせた壁紙が増えるとは言えるかもしれません。

壁紙をインテリアに合わせて自分で張り替える人は多くいます。

ブルックリンスタイルが流行ったときはレンガ柄の壁紙が多く見られました。

最近はミックスインテリアが増えてきているので、「このスタイル」とは言いにくいですね。

 

  • Re壁ボイス ルームクリップ株式会社
  •      

 

--では、トレンドはどうでしょうか?

 

我々は過去の傾向を見てトレンドを発表することはありますが、未来予想はあえてしないようにしています。

というのは、我々はトレンドを作る側ではないからです。

以前に比べると、今は〇〇スタイルにしたいという欲求が弱くなっていると感じます。

 

最近、多くなってきているのが「〇〇のある暮らし」です。

例えば観葉植物のある暮らし、アートのある暮らし。子供と暮らすとか猫と暮らすなどです。

ユーザーは〇〇スタイルにしたいのではなく、自分にとって気持ち良い暮らしを過ごしたいんです。

本当に大事なことはなんだろう、と考える人が増えてきていると言えます。

なので、トレンドを考えるより「〇〇のある暮らしに適した壁紙」はどんな壁紙なのかと考えた方がいいと思います。

 

Re壁ボイス ルームクリップ株式会社 取締役 ビジネス担当 川本太郎さん

 

--これから壁紙はどうなって行くとお考えですか?

 

毎日、美味しいご飯を食べるのと、美味しくないご飯を食べるのでは、同じようにお腹は一杯になったとしても、おそらく生活の質や考え方は変わると思うんです。

それは住まいも同じなのではないでしょうか。

白い壁紙を見続けるのと、自分が好きなオシャレと思う壁紙を見続けるのでは、後者の方が生活は豊かになる傾向があります。

 

壁紙は面積が大きいので、とても影響力を持った存在です。

だから、物は試しとRe壁にトライしてみて実感することが重要だと思います。

このことがきちんと伝わると、壁紙はブレイクすると思っています。

  • 今回おじゃましたのは...


    ルームクリップ 株式会社

    ACCESS
    〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目28番1号 佳秀ビル2階
    Tel:03-3405-2500
    https://roomclip.jp

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  • File No.27 2022.01.24 UP
  • CHIC INTERIOR PLANNING 主宰 インテリアコーディネーター 荒井 詩万さん
    壁紙で部屋の空気感もグッと変わる。もっと壁紙を楽しむことをして欲しい。
    インテリアコーディネーターとして約20年のキャリアを持つ荒井詩万さん。戸建て住宅やマンションのインテリアコーディネート、リノベーションを手掛けています。
    その荒井さんは著書『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(サンクチュアリ出版)を出版。初心者でも素敵な住まいを演出できる、さまざまなノウハウを紹介しています。

  • File No.24 2020.07.06 UP
  • 株式会社 森熊 代表取締役社長 大塚紳哉さん
    ユーザーの個性、アイデンティティを探求する世界の壁紙が、建築業界をアップデート
    壁紙をはじめとする内装材卸会社としては、四国最大手の株式会社 森熊。
    輸入壁紙を中心とした専門店「WALLPAPERHOUSE」を四国各県に展開し、注目を集めています。WALLPAPERHOUSEでは、ホームテキスタイルの世界最大級の見本市・ハイムテキスタイルをテーマとしたセミナーを開催。
    セミナーを通して訴えたいことは何なのか、熱い思いを語っていただきました。

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    環境が変われば人生が変わる。運を変えたい人が住むべき、本当によい家とは。
    大学では英米語学を専攻。卒業後はハウスメーカーに勤務する傍ら、インテリアコーディネーターや宅地建物取引士、さらに2級建築士、1級建築士の資格を取得。また、家相、環境学、風水について学び、3年前に独立。風水空間クリエーターとして多数の住宅や店舗の設計、アドバイスをする一方、講演やセミナーの講師としても活躍中。

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  • File No.21 2019.05.30 UP
  • 育乳ブラ&補正下着専門店 Chabi株式会社 ランジェリーデザイナー 原知佳さん
    いつもいつまでも美しく。女性の願いを叶える夢の空間。
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  • File No.19 2019.05.21 UP
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    伝統と現代性をあわせた表具・表装の新しい楽しみ方を、創業40年以上にわたって表具屋を営む松岡表具店の代表 松岡健一さんにおうかがいしました。

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