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File #16

おしゃれな壁紙にも癒される、カフェのある介護施設。

おしゃれな壁紙にも癒される、カフェのある介護施設。

有限会社ナンクルナイサァーケアネット
代表
乾 亮二さん

Re壁Voice 有限会社ナンクルナイサァーケアネット 代表 乾亮二さん

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有限会社ナンクルナイサァーケアネット 代表 乾亮二さん

地域によって差はあるものの、高齢者のための介護施設はひところ前に比べるとだいぶ充実してきました。その一方で、重度障害者を受け入れる施設はまだまだ十分とは言えません。 そんな実情を憂いて重度障害者向けのデイサービス施設をつくり、事業を展開している、有限会社ナンクルナイサァーケアネット 代表・乾亮二さん。
利用者はもちろん、働くスタッフや地域の人たちにも親しまれる場にしたいと、カフェスペースを設けた施設が話題です。居心地のいい空間にするために提案したという内装のイメージや壁紙についてお話を伺いました。

  • --介護事業を始められたきっかけは何だったのでしょう?

    実は、この事業を立ち上げたのは、私の家内です。それまで私はトラックのドライバー、家内は服飾関係の仕事に就いていて、介護とは全く縁がありませんでしたが、家内の祖母に介護が必要となり、ヘルパーさんに来てもらうようになったんです。
    そのヘルパーさんの仕事ぶりを見て、「介護は人に喜んでもらえる、素晴らしい仕事だ!」と思うようになって、二人で資格を取るところからスタートしました。

    --最初からこうした施設をつくろうと?

    本格的に事業を立ち上げたのは、平成18年の2月。最初は各ご家庭に伺って介護をする、いわゆる訪問介護の仕事でした。でも、仕事をしていく中で、訪問介護だけではカバーしきれない面が多々あると実感して、皆さんに通ってきてもらえるデイサービスの施設をつくろうと考えるようになったんです。

    --高齢者向けの施設と比べて、障害者のための施設はまだまだ少ないと聞きました。

    当初、私たちがつくったのも高齢者向けの施設でした。高齢者のための施設はどんどん増えて、あちこちで見かけるようになりましたが、それに比べると、障害を持っておられる方のための施設というのは、本当に少ない。

    中でも重度の障害がある方が通所できる施設というのは限られていて、当時、私の自宅がある大阪市西成区内にはたったの2カ所ほど。そこが定員いっぱいになると、わざわざ遠方の施設まで通ったり、日中も家族が自宅で面倒を見るしかありませんでした。

    そうした状況を目の当たりにして「地域の人に喜んでもらえて、お役にも立てるのであれば、自分たちで重度の障害を持っている方の施設をつくろう!」と。1号店のナンクルナイサァーくくるをオープンさせました。

  • Re壁Voice 有限会社ナンクルナイサァーケアネット 代表 乾亮二さん
    PROFILE
    乾 亮二 

    大阪府出身 近畿大学法学部卒業。
    トラック・ドライバーをしている時に服飾関係の仕事をしていた由香さんと知り合い、結婚。奥様の由香さんも大阪府出身、帝国女子短期大学英文科卒業。

    家族の介護を機にヘルパーの資格を取得し、介護の仕事を始める。平成18年2月、由香さんが創業者となり、有限会社ナンクルナイサァーケアネットを設立。
    現在は亮二さんが社長となり、奥様は取締役に。介護事業を主軸に、タイの日本語学校経営に携わるなど国外でも事業を展開。

  • Re壁Voice 有限会社ナンクルナイサァーケアネット
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--「ナンクルナイサァー」は沖縄の言葉ですよね。

私も家内も生粋の大阪人で、沖縄とは縁もゆかりもないんですが(笑) 会社の名前をどうしようか考えている時、たまたまテレビで沖縄に住む難病のある娘さんとお母さんの番組を見ました。その母娘の合言葉が「ナンクルナイサァー」だったんです。 今でこそ沖縄の言葉は全国的に知られるようになって、ナンクルナイサァーは“なんとかなるよ〜”とケセラセラ的な言葉だと知る人も増えました。

でも、実は“目標や思いを持って、そのために頑張り続ければ、きっとなんとかなる”というのが本来の意味。強くて深い意味合いが込められていると知って、このネーミングにしました。

--ナンクルナイサァーさんの施設の一番の特長は?

医療的なケアが必要な障害者の方も受け入れられるよう、うちでは設備もスタッフも万全に整えています。全員揃って同じことをする場合もありますが、下は支援学校を卒業された18歳から上は64歳まで、幅広い年齢層の方が通って来られるので、個別に対応するのが大半ですね。

例えば、お風呂に入る時にはその人の好きな音楽をBGMに流したりします。それも、一人ひとりが自然体で過ごしてもらえるよう、自宅にいるのと同じ感覚で居られるようにという思いから工夫したことの一つです。


Re壁Voice 有限会社ナンクルナイサァーケアネット 代表 乾亮二さん

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--こちらのカフェは、スタッフの方のためにつくられたとか。

以前、他所の企業さんを訪問した際、社員のためのカフェがあるのを見て「これはいい。ぜひうちにも!」と思い立ちました。障害者施設のカフェというと、障害者の働きの場だと思われがちなんですが、ここはスタッフが休憩するためのスペース。

最初に西成区の本社にくくる・ひのでカフェをつくって、それ以降は各店舗に設けました。現在、ひのでカフェは一般の方にも利用してもらえるようにして、お茶やランチを提供しています。

--今は4つのカフェがあるそうですが、それぞれ内装のテーマは違うのですか?

くくる・ひのでカフェとくくるカフェは、木をイメージした空間。内装に木材や木目のものを多く取り入れて、それに合うよう壁紙は白ベースにしました。エアーカフェは、旅行がテーマ。

私たち夫婦が旅好きなので、飛行機をイメージしてエア(Air)と名付けたんです。仕事の合間にひと息ついて、旅している気分を味わってもらおうと、いろいろな国の建物がデザインされた壁紙にして、インテリアにもテイストの異なる様々なものを選びました。ここはグリックスカフェといって、ハワイにあるビルズというレストランをイメージしてつくりました。ビルズは世界一の朝食と絶賛される料理を提供するお店で、その内装にはグリーンがほどよく使われていて、実に心地いい空間になっているんです。


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--それで、壁紙をグリーン系にされたんですね。スタッフの方の反応は?

壁紙の柄は、ビルズの床に似たものを選んでもらいました。細かい柄で、ちょっとうるさいかなと心配したんですけれど、実際に張ってみたら思いのほか爽やかで、すっきりした雰囲気でした。向かい側の壁は優しいミントグリーンにしたんですが。まわりがこういう穏やかな色調だと、ホッとできるとか、落ち着くとか、みんなに言ってもらえますね。
ここではお昼を食べたり、着替えたり。ゴロンと横になれるスペースやスタンディングスタイルで作業ができるコーナーもあるので、スタッフは思い思いにくつろいでくれているようです。

--カフェスペース以外の壁紙にはどんなものを使われたんですか?

壁紙で一番印象的なのは、本社事務所のトイレでしょうか。ここにはヒョウ柄の壁紙をアクセントとして張ったんですが、見た目だけでなく、素材そのものも動物の毛皮のようにちょっと毛羽立ったテクスチャーなので、皆さん「あれは本物なの!?」と驚かれますね。トイレまでのアプローチにも花の絵の額を飾ったりして、ギャラリー風のスペースにしてみました。


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--遊び心が効いていますね。

同じ働くなら、楽しく働きたいですよね。仕事をしているとストレスを感じることもありますが、そんな時にこういうスペースがあれば、ちょっと気分が変わるでしょう。カフェ以外でも、楽しい場所や落ち着ける場所が同じ施設内にあれば、スタッフも明るい気持ちで働ける。それが一番だと思っています。

--これからはどんな施設にされたいですか?

施設のカフェはスタッフのために設けたものなんですが、今後は地域の方にも、もっと気軽に利用していただけたらと考えています。ここなら広いし、役所の会議室より和めると思うので、個人宅で持ち回りでやっていた町内会のミーティングや連絡会などにもピッタリ。地域の人たちに親しまれる、開かれた施設の足がかりにもなるんじゃないでしょうか。


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--最後に、壁紙への希望があれば教えてください。

家具を新調するような感覚で、手軽に張り替えられる壁紙があればいいですね。気分に合わせて、この壁だけちょっと変えてみようって。自分で簡単に張り替えられるものがあると、もっと壁紙が身近になると思うんです。
親が入院した時に感じたんですが、病室って天井も壁も真っ白でつまらないでしょう。衛生面のことなど様々な事情があるのでしょうが、ベッドで寝たきりになると認知の症状が進んだりする原因の一つは、目からの刺激が少ないからじゃないかなと。うちも介護するスペースはオーソドックスな白の壁紙なんですが、そういう空間も楽しく華やかなものにできたらと思います。

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