はじめに
日本でのチーズの消費量はヨーロッパ圏と比較すると10分の1程度だと言われています。
しかし消費量は、ある程度の増減はあるものの、徐々に増加傾向にあります。平成20年~平成29年の間で、年間のチーズ消費量は1.5倍程度にまでなっています。
また、「日本ではプロセスチーズが主流、ナチュラルチーズはわずかしか流通していない」と言われていたのは、遠い昔の話。
現在ではナチュラルチーズの消費量の方が、プロセスチーズの1.6倍近くにまでなっています。
ただ、「そういえば、ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いについてはそれほど意識したことがない」という人も多いのではないでしょうか。
ここではこの2つの違いに着目しつつ、それぞれの「使い方」について解説していきます。
出展:農林水産省「平成29年度チーズの需給表」
http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/cheese_zyukyu/attach/pdf/index-3.pdf
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いとは
ナチュラルチーズとは、基本的には「発酵・熟成が続いているチーズ」を指し示す言葉です。山羊や牛の乳を、乳酸菌などを使って固めているものであり、さまざまな種類があります。
私たちにとってなじみ深いカマンベールチーズなどもこちらに分類されます。
対してプロセスチーズとは、発酵・熟成が完全に止まったチーズをいいます。プロセスチーズはナチュラルチーズを原材料としますが、加工の過程で、いったんナチュラルチーズを溶かしてしまいます。
そしてそこに乳化剤を加えて作り上げるものです。プロセスチーズの場合、複数のナチュラルチーズを溶かし合わせて作ることもあります。
ナチュラルチーズのメリットとデメリット
ナチュラルチーズは、熟成・発酵が止まっていないチーズであるため、時間の経過に従い新たな味わいを楽しむことができます。
同じチーズであっても、3か月しか熟成させていないチーズと数年間熟成させたチーズではまったく味が異なります。
また、ワインと同じようにテロワール(風土)の影響を色濃く受けるものであり、個性の強いものがたくさん作られています。
同じ「カマンベール」に分類されるものであっても、作り手や作る場所が違えばまったく違った風合いになります。
また、プロセスチーズに比べて濃厚で旨味が強いものが多く、チーズ本来の味が楽しめるというメリットがあります。
もっとも、ナチュラルチーズにはデメリットもあります。
一番大きなデメリットは、「保存のしにくさ」でしょう。
「熟成が進んでいくこと」はナチュラルチーズの大きな魅力のうちの一つでもありますが、同時にこれがマイナス点にもなります。
元々味が強い一部のシェーブルなどは時間が経つに従い、強烈な臭みなどをまとうこともあり、食べにくいチーズに変わってしまいます。
加えて、値段もプロセスチーズよりも高く設定されています。
プロセスチーズのメリットとデメリット
プロセスチーズはナチュラルチーズとは異なり、熟成が既に止まっているものです。
また、多少の違いはあるにせよ、基本的には「食べやすさ」を主眼にしているため、ともすれば無個性になりがちです。
また、プロセスチーズ何種類かのナチュラルチーズを混ぜ合わせたものも多く、「チーズ本来の個性」を楽しみたい人には少々物足りなく感じるでしょう。
しかし、しばしば「プロセスチーズはナチュラルチーズに劣る」という意見も見ますが、これは必ずしも正しいとはいえません。
プロセスチーズには、ナチュラルチーズにはない「保管のしやすさ」があります。品質が変化しにくく、安定したおいしさを誇ります。
また、ナチュラルチーズとは異なり、味がそれほど個性的ではないがゆえに、さまざまな料理の「材料」として活躍させられます。
チーズ単体でワインなどと合わせたいし個性的なチーズを味わいたいという人にはナチュラルチーズがよく、料理に使ったりくせがないチーズを楽しんだりしたいという人にはプロセスチーズが向いています。
自分の好みに合わせて使い分けていきましょう。
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