パソコンやスマートフォンが広く普及した影響で、最近ではSNSを集客戦略にとり入れる企業が増えてきました。建築・リフォーム業界も例外ではなく、すでにTwitterやInstagram、Facebookを活用している工務店は全国に存在します。
そこで今回は、工務店にとってのSNSの必要性や活用するメリットをまとめました。おすすめのSNSや事例も紹介しているので、集客面でお悩みの工務店の方々はぜひチェックしてみてください。
目次
工務店がSNSを利用すべき3つの理由
地域密着型の店舗が多い工務店にとって、SNSはやや扱いづらさを感じる集客ツールかもしれません。しかし、以下で紹介する3つの理由から、SNSを活用する必要性は高まってきていると言えます。
1.工務店を利用する世代にSNSユーザーが多い
総務省が発表した「令和3年 情報通信白書」によると、20~30代のSNS利用率は2020年の時点で80%を超えています。また、年を追うごとに40代以降のユーザーも増えてきており、2020年には50代のSNS利用率も60%を超えました。
(引用:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/pdf/01honpen.pdf)
20~30代と言うと、一般的には家づくりを検討し始める時期です。また、リフォームを検討する40~60代も半数以上がSNSを利用しているため、工務店にとってSNSは効果的な集客ツールとして期待することができます。
2.現地開催型イベントの代替ツールとして
工務店の集客方法と言えば、住宅展示会などのイベントをイメージする方が多いでしょう。しかし、2019年末から蔓延した新型コロナウイルスの影響により、最近ではイベントを気軽に開催することができなくなりました。
このような企業にとって、SNSは効果的な集客用ツールになります。例えば、モデルルームの写真をアップしたり、ライブ配信機能を使って住宅の見学会を開催したりなど、うまく工夫をすれば現地開催型イベントの代替ツールとして活用できるでしょう。
また、新聞の購読者が徐々に減ってきている点も、集客戦略を考える上で意識しておきたいポイントです。新聞の広告や折りこみチラシによる宣伝効果が薄れてきているため、ネットを活用した集客の重要性はますます高まっていくと考えられます。
3.ホームページよりも拡散性が高く、コストがかからない
SNSには拡散機能が備わっており、注目度の高い投稿はほかのユーザーによって広まっていく仕組みになっています。また、利用料などのコストがほとんど発生しない点も、SNSならではの魅力と言えるでしょう。
ホームページも効果的な集客ツールではありますが、継続的な情報発信が必要になる点や、サーバー代などが発生する点を考えると、SNSよりも多くの手間やコストがかかってしまいます。
工務店がSNSを活用するメリット
工務店がSNSを利用すると、スムーズに集客できる以外にもいくつかメリットがあります。その中から、特に押さえておきたい2つのメリットを紹介します。
1.潜在層へのアピールやブランディングにつながる
前述で紹介したSNSの拡散機能は、潜在層へのアピールにつながります。
例えば、築50年の古びたマンションが、リフォームによって新築のように生まれ変わった写真をアップしたとしましょう。この投稿がほかのユーザーによって拡散されると、アップした写真はさまざまな層の目に映ることになり、なかには「自分もこんなリフォームをしてほしい」と考え始めるユーザーが現れます。
そのユーザーが顧客となり、充実したサービスによって満足してもらえれば、さらに口コミによって良い評価が広がっていくかもしれません。また、写真を使って継続的な情報発信をすれば、ユーザーに自社ならではのイメージや魅力をしっかり認知してもらうこともできるので、SNSはブランディング戦略としても役立ちます。
2.ターゲット層を絞ってアプローチできる
SNSを利用するユーザーの多くは、年齢や性別、住んでいる地域などをプロフィール上で公開しています。そのため、検索機能などをうまく活用すれば、SNSではターゲット層を絞った効率的なアプローチが可能となります。
また、年齢などのユーザー属性だけではなく、過去の投稿から関心のあるジャンルを予測できる点も、SNSを活用する大きなメリットでしょう。例えば、「リフォーム したい」「新築 建てたい」などのワードを検索すると、工務店に興味をもってくれそうなユーザーを効率的に探せます。
工務店におすすめのSNSとは?
ここまで紹介したように、SNSは工務店にとって貴重な集客戦略となるものです。ただし、サービスごとにユーザーの属性や傾向、発信できる情報などが変わってくるので、各SNSの特徴をつかんだ上でぴったりなものを選びましょう。
そこでここからは、工務店におすすめのSNSとそれぞれの活用方法をまとめました。
写真や動画などのビジュアルの発信が得意な『Instagram』
Instagramは3,300万人以上の月間アクティブユーザーを誇る(※2019年3月時点)、10~40代まで幅広い世代が利用するSNSです。
最大の特徴は、写真や動画などのビジュアル発信に強い点であり、モデルルームや施工事例などのアピールに向いています。
オシャレな写真やインパクトのある動画が注目されやすいSNSなので、例えば360度カメラを使って撮影した画像などをアップすれば、多くのユーザーに興味をもってもらえる可能性があります。
また、「インスタライブ」と呼ばれるライブ配信機能も備わっているため、現地開催型イベントの代替ツールとしてもぴったりです。
ほかにも、ストーリーズ機能を使って短い広告動画を出したり、「#(ハッシュタグ)」を投稿につけることでユーザーに見てもらう機会を増やすなど、Instagramは目的に合わせてさまざまな活用ができます。
リツイート機能で拡散を狙える『Twitter』
Twitterは4,500万人の国内ユーザーを誇る(※2022年1月時点)、短文でのコミュニケーションに特化したSNSです。他ユーザーの投稿を再投稿できる「リツイート機能」が備わっているため、拡散性が高い特徴をもっています。
Twitterを使いこなすコツは、「リツイート」や「いいね!」を押したくなるような投稿を行うこと。インパクトのある写真・動画を掲載するだけではなく、リプライ機能を使ってユーザーと積極的なコミュニケーションをとることで、投稿が拡散される可能性をぐっと高められます。また、情報のサイクルが早いSNSなので、頻繁に投稿することも意識しておきたいポイントでしょう。
Twitterは30代以上のユーザーも多いため、うまく活用すれば新築を検討している方や、リフォームを考えている方へのアピールにつながります。
30~40代のユーザーが多く、実名制の『Facebook』
Facebookは30〜40代以上のユーザー層が多い、実名制のSNSです。多くのユーザーが居住地や関心のあるジャンルなどを公開しているため、ターゲット層を絞ってアプローチしたい工務店に向いています。
Facebookは長文の投稿が可能なので、「写真(動画)+文章」で施工事例やイベント情報などをたっぷりと紹介したい場合におすすめです。また、ターゲット精度の高い広告システムも用意されており、具体的なアクション(Webサイトへの訪問や「いいね!」のクリックなど)を起こしたユーザーに絞って広告を出すような使い方もできます。
Facebookは年齢層が少し高いので、主にリフォームやリノベーションなどの集客にぴったりでしょう。
建築・リフォーム業界に特化した『Houzz』
Houzzはリフォームや家を建てたいユーザーと、工務店などの専門家をマッチングさせるSNSです。建築・リフォーム業界に特化したSNSであり、ページ内には事業や事例をまとめたプロフィールを掲載できます。
Houzzを活用するメリットとしては、エリアを絞ってアプローチをかけやすい点が挙げられるでしょう。特定エリアを絞って広告を出すことができ、さらにリフォームなどを求めているユーザーがいれば、エリア内の案件を紹介してもらえます。
効率的に見込み客を探せるSNSですが、専門家として利用する場合は1ヶ月あたり7,000円~の費用が発生します。プランによって利用できるサービスが異なるので、必要なものを見極めた上で加入するプランを選びましょう。
世の中の工務店はSNSをどう使っている?参考にしたい事例
SNSにはさまざまな活用方法があり、工務店によって顧客へのアプローチは異なります。ここからは、SNSを効果的に活用している事例をまとめましたので、運用方法を考えている方はぜひ参考にしてみましょう。
キャラクターや動画を巧みに使ったSNS運用/一条工務店
東京都に本社を構える「一条工務店」は、LINEやFacebookなどさまざまなSNSを活用しています。なかでもTwitterは、公式キャラクターである「ジョーくん」が日常をつぶやくような形で運用されており、親しみやすい工務店であることが効果的にアピールされています。
はじめまして。
ワタクシ、一条工務店の『ジョーくん』 です。今日は1年のうちでもっとも『1』が多い日ということで、Twitterを始めるきっかけにさせてもらいました!よろしくお願いします。#ポッキープリッツの日 でもあるんですね、偶然だなあ#一条工務店 pic.twitter.com/KiZApR2SzJ
— ジョーくん@一条工務店 (@joekun_ichijo) November 11, 2021
また、住宅に興味をもってもらうための動画をアップしている点も、工務店が参考にしたいポイントです。例えばこちらの投稿では、耐水害住宅に関する質問に専門家が答えてくれる動画がアップされています。
一条の『耐水害住宅』って本当にダイジョウブ?
みんなによく聞かれる、代表的な5つの疑問を開発担当者の人に聞いてきたので、ぜひ見てほしいなあ
一条公式YouTubeで配信中!https://t.co/WfOAElqCRj#耐水害住宅 #一条工務店 #ジョーくん— ジョーくん@一条工務店 (@joekun_ichijo) November 19, 2021
LINEやFacebookなどについても、写真の載せ方や言葉遣いなどが工夫されているので、SNSアカウントを立ち上げる前にぜひ参考にしてみてください。
中小の工務店ならではのちょっとした工夫/中村工務店
中小の工務店では、SNSの運用に割けるコストや人員が限られるため、上記のようなアプローチが難しい場合もあります。そのような工務店は、次に紹介する「中村工務店」の事例を参考にしてみましょう。
中村工務店は大阪府門真市に本社を構える、従業員20名ほどの工務店です。小さな工務店ながらもFacebookとInstagramをうまく使い分けることで、SNSユーザーからのイメージをしっかりとアップさせています。
例えばFacebookでは、従業員が交代しながらブログのような投稿を行っており、町の工務店ならではの身近さや親近感を感じられる雰囲気がアピールされています。町のイベントに参加した様子など、地域に関わる投稿が多い点も参考にしたいポイントです。
一方でInstagramでは、主にモデルルームや施工事例などの現場を紹介。さまざまな物件の写真を掲載することで、工務店としてどのような案件を請け負ってきたかが分かる内容になっています。
この投稿をInstagramで見る
また、ユーザーは「#(ハッシュタグ)」で、自分の好きなものや知りたい情報を検索するため、投稿する際に住宅に関するワードや地域名の「#(ハッシュタグ)」をつけて、ユーザーに投稿を見つけてもらいやすい状態を作ったり、通勤や家事の合間のすきま時間で見ることができる、短い動画で施工例を紹介するのもおすすめです。
この投稿をInstagramで見る
動画に少し手を加えるだけでも印象は変わるので、コストをかけることが難しい工務店は、投稿の見せ方や「#(ハッシュタグ)」を使ってを工夫してみましょう。
Re壁の「Re壁Snap」でSNSを通じて壁紙の魅力を発信!
Re壁では、SNSを通じてユーザーに壁紙の魅⼒や情報を発信する「Re壁Snap」を発信しています。
SNSに施⼯例や壁紙の写真を投稿する時に、「#リカベ」をつけるだけ。すると、Re壁Snapページで⾃動的に紹介されます!
壁紙に関する投稿であれば何でもOKです。
工務店の皆さまのすてきなインテリアや壁紙の写真を大募集しています。ぜひ、いつもの投稿に「#リカベ」をつけてください。皆さまのご投稿お待ちしております。
それぞれの特徴を意識し、自社に合ったSNS運用を
SNSはサービスによってユーザー層や機能が異なるため、まずはそれぞれの特徴を理解することが大切です。その上で、投稿内容に合わせてSNSをうまく使い分けることができれば、より大きな集客効果や宣伝効果を期待できるでしょう。
今回紹介した事例も参考にしながら、自社に合ったSNSの運用方法をぜひ考えてみてください。
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